Lighting 5.0 とは?「LIGHTING ACTION for 2030」が示す照明業界の展望

はじめに
日本照明工業会(JLMA)は、「LIGHTING ACTION for 2030」宣言を通じて、未来に向けた照明のあり方を提唱しています。
この取り組みは、従来の照明技術を超え、「健康」「安全」「快適」「便利」という4つの価値を提供する次世代照明「Lighting 5.0」の推進を目指しています。
当コラムでは、照明業界の方向性について、日本照明工業会のアクションプランに沿った取組みとビジョンをご紹介いたします。
「Lighting 5.0」とは?
「Lighting 5.0」は、単に空間を明るくするだけでなく、Society 5.0に対応した多機能、高付加価値照明を指しています。
従来の照明技術は、たいまつやろうそく(1.0)から、白熱電球(2.0)、放電灯(3.0)、LED照明(4.0)と進化してきましたが、第5世代としての「Lighting 5.0」は、これらに加えより高度な機能を持つことを特徴としています。
Lighting5.0を支える4つの軸は以下となります。
- 健康:人々の健康に配慮した光環境の提供。
- 安全:防犯や防災など、安全性を高める照明。
- 快適:快適な生活環境を創造するための光。
- 便利:スマートシティやIoTと連携し、利便性を向上させる照明。
これにより、照明は単なる光源としての役割を超え、様々なモノやコトとつながることで、豊かな暮らしを実現する一翼を担います。
「Lighting 5.0」の実現に向けた取り組み
JLMAでは「Lighting 5.0」を実現するために以下の取り組みを推進しています。
- 共創するACTION:異業種や他分野との協力を通じて、新たな価値を創造する。
- 次世代照明へのACTION:各社が開発する「Lighting 5.0」製品や技術の普及促進。
「Lighting 5.0」の具体例
- 健康的な照明
照明の色温度や光の強さを調整することで、日々の生活リズムに合わせた最適な光環境を提供します。これにより、睡眠の質を向上させるだけでなく、日中の集中力や生産性も高まります。また、居室におけるシーリングライトやダウンライトにおいて、演色性が配慮されています。
演色性とは、太陽光下で見える再現性を示す指標ですが、できるだけ自然の見え方に近い、この数値が高い照明が選考される傾向もあります。 - 安全性の向上
防犯カメラと連動したスマート照明や、緊急時に自動で点灯する防災照明など、安全性を強化するための照明技術が開発されています。 - 快適な生活空間
調光機能や色変化機能を持つ照明器具が普及し、部屋の雰囲気を自在に変えることができるようになりました。これにより、リラックスできる空間や活気あふれる空間を簡単に演出できます。光の質をさらに向上させるために、パネルによる拡散効果や、「ゆらぎモード」の搭載によりリラックスできる光を届ける工夫がなされています。
- スマートシティとの連携
IoT技術を活用し、スマートフォンやスマートスピーカーと連動する照明システムが普及しています。
音声操作や遠隔操作が可能となり、より便利な生活が実現しつつあります。
「LIGHTING ACTION for 2030」のビジョン
「LIGHTING ACTION for 2030」は、単なる技術革新ではなく、社会全体に新たな価値を提供することを目指しています。
JLMAは、このビジョンを実現するために、以下の目標を掲げています。
- 持続可能な開発目標(SDGs)への貢献
エネルギー効率の向上や環境負荷の低減を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。 - 高齢化社会への対応
高齢者に優しい照明環境の整備を進め、健康寿命の延伸に貢献します。 - 地域社会の活性化
地方自治体や地域コミュニティとの連携を強化し、地域全体の活性化を図ります。
まとめ
「LIGHTING ACTION for 2030」は、未来に向けた照明の進化を推進する重要な取り組みです。
JLMAは、「Lighting 5.0」を通じて、健康、安全、快適、便利という新たな価値を提供し、持続可能で豊かな社会の実現を目指しています。
照明は、人間生活において、無くてはならない器具のひとつです。
単なる明るさから、より次元を高めた提案が広がることが、快適性、健康等の豊かなくらしを提供していくこととなるでしょう。
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これらは、照明業界が掲げるビジョンの実現に賛同し、良質な照明の普及に貢献したい、との考えが製品につながったものです。
LED照明特有のまぶしさやちらつきを極力低減し、安全かつ健康的なあかりの提供を目指しています。