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いまさら聞けない「照明調光って?」LED照明ならではの利点を紹介します。

いまさら聞けない「照明調光って?」LED照明ならではの利点を紹介します。
目次

照明調光って何?

照明の調光とは、照明器具の明るさを調整する技術です。

照明の調光機能は、光の強弱を変えるだけでなく、エネルギー効率の向上、生活空間の快適性の向上、さらには空間演出や建物の用途に応じた照明制御を実現するための重要な役割を果たしています。

今回のコラムでは、日常生活に根付いている照明調光について技術区分や今後の展開について解説します。

 

調光機能について

調光機能は、照明を使用する空間において多くの利点をもたらします。

まず、エネルギー消費量を削減できる点。
自然光が十分に入る居室においては、必要な光量だけ調整した照明を利用することにより、無駄な消費電力を抑制し、エネルギーの有効活用につながります。

 

また、空間の雰囲気を変えることも可能です。

住宅で普及しているシーリングライトでは、調光・調色機能が備わっています。

勉強等で集中する時間帯は白色系の照明に切り替えたり、夜間は暖色系に切り替え、リラックスできる空間を作ることが可能です。

 

調光方式の4つの技術

照明の調光には様々な技術が存在しますが、ここでは主要な4つの技術について紹介します。
 

位相制御(フェーズカット)

位相制御は、交流電源の波形を一部切り取ることで、電球に流れる電力を制御する方式です。

これは一般的な白熱電球や一部のLED照明でよく使われている技術です。位相制御は、波形の前半部分をカットする「リーディングエッジ」と、後半部分をカットする「トレーリングエッジ」があり、メーカーの判断により使い分けされているのが実情です。

 

0-10V調光

0-10V調光は、照明器具に供給する電圧を0〜10Vの範囲で変化させることで、明るさを調整する方式です。

電圧が0Vに近いほど暗くなり、10Vに近いほど明るくなります。これは比較的単純であり、商業施設などで利用されるケースがあります。

日本国内よりも、海外では主流の技術といえるでしょう。

 

PWM方式

PWM(Pulse width Modulation、パルス幅変調)方式は、パルスの幅(ON時間)を変化させて出力を制御する技術です。

LED照明の調光の主な方式となり、モーター制御等でも使用されています。
パルス信号のONとOFFの時間比(デューティ比)を調整することで、平均電圧を変化させることが可能です。

例えば、デューティ比50%では、ONとOFFの時間が等しく出力は入力電圧の半分になります。
PWMは効率が高く、発熱が少ないため、電力制御やデジタル信号のアナログ化において重要な役割を果たします。

 

DALI調光

DALI調光は、デジタル信号で照明を制御するためのプロトコルである、DALI(Digital Addressable Lighting Interface)を利用した方式です。

詳しくは次で説明します。

 

DALI調光とは

DALI(Digital Addressable Lighting Interface)とは、照明をデジタル信号で制御するためのオープンな標準プロトコルです。

このシステムは照明システム全体をデジタル化し、各照明器具に固有のアドレスを決めることで個別制御が可能になり、それぞれ独立して明るさを調整することができます。
照明システム全体をきめ細かく制御することができ、効率かつ柔軟な照明制御を実現します。

また、双方向通信ができるため、照明の状態をモニタリングしたり、遠隔から調整を行うことを実現します。

 

DALIの大きな特徴は、他の調光方式に比べて高い柔軟性と拡張性を持つ点といえるでしょう。
最大64台の照明器具を一つのDALIネットワークに接続でき、各器具に対して個別の制御が可能です。

たとえば、オフィスの会議室では「会議モード」や「プレゼンテーションモード」など、事前に設定したシーンに基づいて照明切り替えを簡単に実行します。

 
さらに、DALIは他の建物管理システム(BMS)とも統合が可能なため、エネルギー管理やセキュリティシステムと連携させることで照明を一層効率的に制御することができます。

 

DALI調光と制御の関係

DALI調光システムでは、制御デバイス(DALIコントローラー)を介して照明器具に指示を送り、明るさの調整やオン・オフの切り替えを行います。

照明器具からはフィードバックが返され、器具の動作状態を冷静に理解できるため、故障の早期発見等につながります。

 
この制御方式は特に大規模な照明システムに適しており、例えば商業やオフィスビル、工場など、多くの照明器具が稼働する環境で効果的です。
DALI調光システムは、従来のアナログ制御方式と比べて信頼性が高く、より正確かつ効率的な制御を行う場合に採用が進んでいます。

 
日本国内では欧米と比較すると普及が遅れており、今後の趨勢により、新築ビルでのDALI照明の導入が拡大していくことが予想されます。

 

KNXとDALIの関係

KNXとDALIは、ビル管理における主要な照明制御プロトコルですが、目的と役割が異なります。

KNXは建物全体のオートメーションを統括し、空調やセキュリティも含めた制御を考慮しており、DALIは照明の詳細な調光や管理を専門としています。 どちらも相互接続が可能で、KNX システム内に DALI ゲートウェイを組み込むことで、照明制御を実現します。

DALIとKNXは、建物オートメーションにおいて相互補完的な役割を持つため、好相性です。

KNXが全体の設備管理を担い、DALIが照明の詳細な制御を担うことで、柔軟かつ効率的なシステムが構築可能です。

 
「スマートビル」を実現するためには、いくつかの手段、プロバイダーにて実現します。

その場合、
標準的なシステムか?」「オープンか?」「複数メーカーのインテグレーション可能か?
との視点においてKNX-DALIシステムが日本国内においても選択されるケースが今後増えていくものと予想されます。

 

まとめ

照明の調光方式には多くの技術があり、それぞれの方式が持つ特徴があります。

DALI調光は、デジタル制御による高い柔軟性と精密な制御が可能であり、特に大規模施設において効果です。
また、KNXとの連携により、建物全体のシステムを統合し、エネルギー効率や快適性をさらに向上させることができます。

 
プライム・スターでは、LED照明各種において、調光タイプをご用意しております。

ダウンライトにおいては、調光・非調光兼用タイプ等もあり、お客様のご用命に応じた空間づくりのお手伝いをいたします。

この記事を書いた人

プライム・スター株式会社 代表取締役

下田知代

LED照明コンサルティングから製造へ進出、 現在はエネルギーをつくる・ためる・へらすの総合的なソリューションを提案中。 お客様の課題解決のため、実践的な情報をコラムにてお届けします。