ZEH-M(ゼッチマンション)とは?ZEHマンションの具体的事例を紹介します。

はじめに
近年、持続可能な建築物の重要性が高まる中、ZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)という概念が注目を集めています。
特に、東京建物株式会社が手掛けた「Brillia深沢八丁目」は、日本初の大規模ZEH-M分譲マンションとして、エネルギー効率の高い住環境を提供しています。
本記事では、ZEH-Mの特徴と東京建物の事例を詳しく見ていきます。
ZEH-Mの概要
ZEHは、住宅の一次エネルギー消費量をゼロにすることを目指した基準です。
ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
参考:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000153.html
ZEHの集合住宅版であるZEH-M(ゼッチマンション)の特徴は、以下の4つのランクに分かれている点です。
- ZEH-M:
年間の一次エネルギー消費量がゼロ以上 - Nearly ZEH-M:
エネルギー消費量削減率75%以上~100%未満 - ZEH-M Ready:
同50%以上~75%未満 - ZEH-M Oriented:
同20%以上
「Brillia深沢八丁目」は、冷暖房、給湯、照明等の一次エネルギー消費量を実質ゼロ(削減率100%以上)とし、国が定める「ZEH-M」基準を達成しています。
大規模建築物として日本初の『ZEH-M』分譲マンション「Brillia深沢八丁目」竣工
抜粋引用:https://www.env.go.jp/chemi/tmms/lamp.html
「Brillia深沢八丁目」の特徴
「Brillia深沢八丁目」は、東京都世田谷区に位置し、以下のような特徴を持っています。
- 高い断熱性能:
一部住戸で断熱性能最上位の「等級7」を達成、等級6を他住戸で設置 - 再生可能エネルギーの活用:
屋上に336枚の太陽光パネルを設置し、全住戸に燃料電池「エネファーム」を導入。 - 経済的メリット:
一般的な省エネ基準の住戸と比較して、年間で約10~16万円の光熱費削減が見込まれています。 - 万が一の際にも対応できる
災害時のレジリエンス再エネ設備により、停電時の対応も考慮されています。
EV自動車から共用部照明等への電力を供給できるV2H(Vehicle to Home)を一か所に設置。住戸内でも、非常時用のコンセントを備え、停電時には太陽光発電やエネファームによる電力を活用できる安心設計となっています。
また、停電時に使える管理用トイレ、防災備蓄倉庫など、マンションとしての防災対策も実施しています。
東京建物の環境配慮の取り組み
東京建物グループでは、2030年度までにCO2排出量を46.2%削減する目標を掲げています。
また、すべての新築分譲マンションにおいてZEHを開発する方針を持ち、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
まとめ
住宅業界各社は、ゼロエネ住宅の開発に力をいれています。
例えば、「プラウド」を手掛ける野村不動産では、昨年、断熱性能が等級6以上の物件供給を推進する旨を発表しています。
また、大東建託は、30年までに省エネ性能を高めたZEHの累計供給戸数を32万戸とする目標を掲げています。
既設マンションやZEH-Mレベルに届かない新築マンションでも、プライム・スターの可搬型蓄電池HUGシリーズは、備蓄用や排水ポンプ稼働用としてすでに多数ご採用いただいております。
新築住宅供給戸数が逓減していくなか、今後は再生可能エネルギーの導入、高断熱性能、蓄電池の有無が、住宅選びにおける重要な判断基準の一つになると考えられます。