DALIとは?照明制御の国際規格をわかりやすく解説|DALI-2・D4i・KNXとの関係も
オフィスや商業施設の照明計画で、「DALI(ダリ)対応」という言葉を目にする機会が増えていませんか。
DALIは欧州発の照明制御の国際規格で、世界のスマートビルディングでは事実上の標準になっており、日本でも対応器具・機器が急速に増えています。
「調光ならこれまでもできたのでは?」と思われるかもしれません。
しかしDALIの本質は、単なる調光ではなく、照明器具1台1台と”会話”できるデジタル通信にあります。
どの器具を何%で点けるかを自在に変えられるだけでなく、器具の状態や消費電力の情報を吸い上げることもできる -照明が「制御される機器」から「データを持つ機器」に変わるのです。
本コラムでは、DALIの仕組みとできること、DALI-2・D4iといった規格の進化、そして当社が得意とするKNXとの関係までをわかりやすく解説します。
概要:DALIの要点
- DALIは照明制御専用のオープンな国際規格(IEC 62386)。特定メーカーに縛られず、対応製品同士を組み合わせられる
- 2本の制御線で1回線あたり最大64台の器具に個別アドレスを割り当て、1台単位・グループ単位・シーン単位で自在に調光できる
- 従来のアナログ調光(0-10V等)と違い双方向通信。器具の故障検知や点灯状態の把握ができる
- DALI-2は認証制度の強化で相互接続性が向上し、センサーやスイッチなどの入力機器も規格化。D4iは器具にデータ機能を内蔵しIoT対応を見据えた最新仕様
- DALIは「照明のプロ」、KNXは「建物全体の司令塔」。KNX-DALIゲートウェイで組み合わせるのが世界のスマートビルの定番構成
DALIとは?仕組みをやさしく解説
DALI(Digital Addressable Lighting Interface)は、照明器具(正確にはLEDドライバや安定器)とコントローラの間をデジタル信号で結ぶ通信規格です。
DALIの仕組みはシンプルで、電源線とは別に2本の制御線(極性なし)を配線し、そこに照明器具・センサー・コントローラをつないでいきます。
1回線(ライン)につき最大64台の器具にアドレスを割り当てられ、最大16のグループ、16のシーン(あらかじめ登録した明るさの組み合わせ)を設定できます。
これにより、例えば次のようなことが可能になります。
- 会議室の照明を「プレゼンモード(スクリーン付近だけ消灯)」「会議モード」「清掃モード」とワンタッチで切替
- 窓際の器具だけ昼光に応じて自動調光し、奥の器具は一定照度を維持
- レイアウト変更の際、配線工事なしでグループ設定の変更だけでゾーニングを変更
最後の点は実務上とても重要です。
従来の調光システムでは「どの器具がどのスイッチで点くか」が配線で固定されますが、DALIではソフトウェアの設定で決まるため、オフィスの席替えやテナント入替にも柔軟に対応できます。
従来のアナログ調光と何が違う?
これまで日本の施設で多く使われてきた調光方式(0-10V、PWMなど)は、1本の信号線につながる器具すべてが同じ明るさになる「一斉制御」が基本でした。
DALIとの違いを整理すると:
- 個別制御:アナログは回路単位、DALIは器具単位。細かなゾーニングが配線に依存しない
- 双方向通信:アナログは一方通行、DALIは器具から「ランプ不良」「ドライバ故障」などの情報が返ってくる。広い施設ほど目視巡回に頼らない保守が効く
- 調光品質:DALIは対数カーブに基づく滑らかな調光で、人の目に自然な明るさ変化を実現
- 配線の自由度:DALIの制御線は極性がなく、渡り配線の形状も自由。施工ミスが起きにくい
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DALI-2・D4iで何が進化した?
初期のDALI(DALI version-1)は、メーカーごとの解釈差により「DALI対応同士なのにつながらない」ことが課題でした。
これを解決したのがDALI-2です。
国際団体DALIアライアンスによる第三者認証制度が導入され、認証製品同士の相互接続性が大きく向上しました。
また、それまで規格外だったセンサーやスイッチなどの入力機器・コントローラも規格の対象になり、システム全体をマルチベンダーで構成できるようになりました。
さらに新しいD4iは、「スマート器具」のための拡張仕様です。
器具の中のドライバに、消費電力・点灯時間・診断データなどを記録・提供する機能と、センサーや無線モジュールへの給電機能を持たせます。
これにより照明器具そのものがIoTデバイス化し、器具単位のエネルギーデータ収集や予知保全が可能になります。
照明が建物のデータインフラになっていく——Lighting 5.0とも呼ばれる潮流の中核にある技術です。
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DALIとKNXの関係:「照明のプロ」と「建物の司令塔」
ここでよくいただく質問が「DALIとKNXはどちらを選ぶべき?」というものです。
答えは「対立するものではなく、組み合わせるもの」です。
- DALI:照明制御に特化した規格。器具単位の細かな調光・調色、故障監視が得意
- KNX:照明・ブラインド・空調・セキュリティなど建物全体を統合するオープン規格
世界のスマートビルでは、KNXを建物全体の司令塔にして、照明のゾーンはKNX-DALIゲートウェイでDALI回線をぶら下げる構成が定番です。
例えば「会議室の予約時間になったら、KNXが空調を先行運転し、人感センサーが入室を検知したらDALIがシーン照明を点灯、ブラインドは日射に応じて自動制御」といった、部門をまたいだ連携が1つのシステムで実現します。
照明だけを高度化したいならDALI単独でも構成できますが、省エネ効果を最大化するなら照明×空調×ブラインドの統合制御まで視野に入れる価値があります。
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導入時のポイント
- 設計段階からの計画:回線あたり64台の制限やグループ設計は、照明配置と一緒に計画するのが効率的です。改修の場合は既存配線の活用可否も確認します
- 認証製品の選定:「DALI対応」と「DALI-2認証」は異なります。マルチベンダー構成なら認証製品で揃えるのが安全です
- コミッショニング(初期設定):アドレス設定・グループ設定・シーン設定という「ソフトの施工」がDALIの品質を左右します。実績のあるインテグレーターに依頼しましょう
- 調光・調色(DT8):色温度を変えられる器具を使えば、時間帯に応じて光色を変えるサーカディアン(概日リズム)照明も実現できます
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ヒューマンセントリックデザインのLED照明「Colors」
よくある質問(FAQ)
Q1.DALIは何の略ですか?
A. Digital Addressable Lighting Interface(デジタル・アドレサブル・ライティング・インターフェース)の略で、国際規格IEC 62386として標準化された照明制御の通信規格です。
Q2. DALIとDALI-2の違いは何ですか?
A. DALI-2は第三者認証によって異なるメーカー間の相互接続性を保証し、センサー・スイッチなどの入力機器やコントローラまで規格化した新世代です。
新規導入ではDALI-2認証製品の採用が基本になります。
Q3. 既存のオフィスにも後付けできますか?
A. 可能ですが、DALI対応のLEDドライバを持つ器具への交換と制御線の敷設が必要です。
LED化のタイミングでDALI対応器具を選んでおくと、後から制御を段階的に追加できます。
Q4. DALIとKNXはどちらを導入すべきですか?
A. 照明制御を突き詰めるならDALI、建物全体(照明・空調・ブラインド等)の統合ならKNXが適しています。
両者はゲートウェイで連携できるため、「KNX+DALI」の組み合わせが機能面では最も強力です。
まとめ:照明制御は「点ける・消す」から「データでループする」へ
DALIは、照明を1台単位で制御し、器具の状態や電力データまで活用できるオープンな国際規格です。
DALI-2・D4iへの進化により、照明はスマートビルのデータインフラへと役割を広げつつあります。
プライム・スターは、LED照明とKNXによる建物制御を手がける立場から、DALIを含む照明制御システムの設計・導入をサポートしています。
赤坂のショールームでは、KNXと連携した照明制御を実際に体感いただけます。
オフィスや施設の照明リニューアルで「調光・制御までやりたい」とお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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